フィリピン幸福論
第 1回 踊り狂う人々 前編
第 2回 踊り狂う人々 後編
第 3回 日本人がフィリピン
     に填まる理由
第 4回 戦士と乙女
第 5回 異形に寛容な
     フィリピン
第 6回 貧しいがゆえ
     豊かなるフィリピン
第 7回 激安暮しの幸福
第 8回 子供が溢れる
第 9回 MLによる新しい
     日本人ネットワーク
第10回 「お客さん」をやっ
      ていませんか?
第11回 マニラで遊べ!
第12回 Pの悲劇
フィリピン恋愛論
第 1回 シングルマザーに
     愛を・・・。
第 2回 駐在員 VS
     カラオケGIRLS
第 3回 Japan meets
     Philippines!
第 4回 日本女性 VS
     フィリピーナ
第 5回 健気なり!
     フィリピーナ!
第 6回 確信犯的悪女系
     フィリピーナ
第 7回 眼力を磨け!1
第 8回 眼力を磨け!2
第 9回 省令改正に関する
     緊急提言!
第10回 眼力を磨け!3
第11回 眼力を磨け!4
第12回 連載の総まとめ
  
著者 :   三四郎
撮影 : Vito Cruz
第7回 〜フィリピン激安暮しの幸福〜
日本の皆さんがフィリピンに来た時に、物価の安さに感激することも多いのではないだろうか。ただでさえ安い物価が、このところさらに安く感じられる。その秘密は、1ドル=107円にまで上昇した円高も手伝い、1万円を市中で両替すると5100ペソを越え、円に対してペソが最安値を更新しているからである。私はフィリピンに実際に住んで既に5年になり、最近はややもするとそのような感激も薄れがちなのだが、時々本当に安いものに出くわし、フィリピンで暮らす幸せをしみじみと噛み締める時がある。

 先日、パラニャーケの友人の家を訪ねた。マカティからサウススーパーハイウェイで、渋滞が無ければ15分くらい。24時間常駐で、ガードマンが入り口を警備しているビレッジに彼の家はある。山小屋風二階建ての瀟洒なつくりで、白壁にワインレッドの柱がしゃれている。一階は広い居間と家族の寝室。二階には三部屋のベッドルーム。夫婦と小さな子供二人で暮らすには、充分な広さである。車一台分のカーポートがあり、近辺は緑も多く、子供を遊ばせるには環境が良い。

 読者の皆さんは、このような一戸建ての家賃を一体いくらだと予想するだろうか。3万ペソ(6万円)だろうか。いやいや、5万ペソ(10万円)だろうか。実はたったの1万ペソ(2万円)なのだ。水道光熱費を入れても、倍の2万ペソ(4万円)で一戸建てに住めてしまうのである。

 その友人は、「まあ座りたまえ」と私を招きいれ、黒の革張りのソファーセットに誘った。そのソファーはもちろん合成皮革であるが、セットで7千ペソ(1万4千円)。そしてソファーの前には29インチのソニー製トリニトロンTV。日本から中古家電としてマニラ北港に輸入されたものである。たったの8千5百ペソ(1万7千円)。

 「DVDでも見ようか」とおもむろに1枚80ペソ(160円)の海賊版DVDを、2800ペソ(5600円)の「HAKATA」というブランドのDVD・VCD・MP3プレーヤーで再生し始めた。本当に映るのかと思いつつ見ていると、非の打ち所はなくとても綺麗に映る。流行りのプラズマディスプレイとは行かないが、ソニーのトリニトロンTVでDVDの映画を見るわけだから、画質的には最高である。

   友人曰く、家族4人で映画を見に行くと280ペソ(560円)も掛かってしまう。もちろん外食などでそれだけではすまない。1枚400ペソの本物のDVDを買っても安いものだ。幸い一部屋余っているからAV鑑賞ルームを作るのだと。淡々と計画を語る友人の顔の借景となって並んでいる中国風の壺は、なんと30ペソ(60円)…。私は思った。この男はフィリピン激安暮しの達人である。

 ブランド、新品、本物や持ち家にこだわらなければ、マニラではこんなに安くて実質的な生活を営めてしまうのである。マニラを生活の場に選んだ時点から、ブランドなどと格好つけてもしょうがない。私もこだわりを捨てて、実質的でお得な生活を心がけようと、心に誓って友人宅を後にした。

 そして、もう一つ幸せを噛み締めた瞬間をご紹介しよう。

 別の友人とアラバン近辺のカラオケに繰り出した時のこと。そのカラオケは日本人向けの小奇麗な店で、3万曲を誇るDAMの通信カラオケも設置されている。日本行きを待つうら若きフィリピーナ達が、所属したプロモーションのオーナーの経営するその店で、VISAを待ちながら練習がてらに働いているのである。

 驚く無かれ、料金は3時間300ペソ+TAX10%。たったの660円である。しかも、ビールが2本までついており、指名をしなければ30分ごとに横の女の子が入れ替わる。お酒も弱く、マニラ生活5年でフィリピーナに飽き飽きしている私もカラオケには目がない。お客もちらほらとしかいないその店で、まるまる3時間ワンマンショーをやって660円。思わず100ペソ(200円)のチップを隣のフィリピーナに握らせて一言、「はぁぁ、やめられまへんな…」

 フィリピンと日本の物価を比べて、一番安く思うのはなんといっても「人件費」である。そのようなプロモーションに住み込んでいるフィリピーナ達がバイトしているお店では、彼女達は一晩に100ペソ(200円)くらいしか日給を貰っていない。彼女達にしてみれば、仕事のない田舎から出てきて、住む所と食べ物を保証されれば、日本に行くまでの約8ヶ月の間は100ペソ(200円)の日給でも御の字なのである。

 ちなみに私の家で働いているお手伝いさんは、月給3千ペソ+週500ペソの食費である。約1万円で住み込みのお手伝いさんが雇え、掃除、洗濯や炊事まですべてやってくれる。私は独身であるが、結婚されている方ならば奥さんに家事の負担をさせることなく、朝起きてから夜寝るまでクリエイティブな生活が出来るのである。

 日本人的な考えであると、月一万円で一人の人間を雇って家事をさせることは、抵抗感があることかもしれない。しかし、仕事が十分にないフィリピンでは彼女達を雇ってあげることは、感謝こそされても、はばかることではないのである。

 こんなフィリピンでの激安生活を積み上げいくと、月10万円もあれば一軒家にお手伝いさん付きの生活が出来てしまう。これをフィリピンの幸せといわずなんと言うのだろう。

第8回 〜子供が溢れるフィリピン!〜に続く!

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著者プロフィール

著者名 三四郎

フィリピン社会事情MLを運営。
マニラ現地サービスを展開中!
マニラ在住8年。

E-MAIL: nbf04352@nifty.com
URL: www.pmlc.net


撮影者 小俣慎也 (通称Vito Cruz)


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